2018年4月4日

「なんとなく」の感覚を大切に!! 『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』 (前編)

アイオワ大学で行なわれた面白い心理学実験がある。

赤いカードと青いカードが数十枚ずつ用意され、それぞれ「10ドル勝ち」「2ドル負け」など書かれている。赤には大勝ちもあるが大損もある。逆に青には大勝ちが少なく、負けを引いても損が少ない。

被検者はそれぞれの山から一枚ずつめくっていき、最終的にプラスなら勝ちだ。先に手の内を明かすなら、赤を無視して青だけを引いてゲームを終われば勝てる仕組みになっている。さて、被検者はカードを何枚ほど引いたところでに気づくだろう?

たいていの被検者は、50枚ほどめくったところで、なんとなく必勝の法則に気づく。確信にまでは至らないが、なんとなく「青のほうが良さそうだ」と思い始める。さらにゲームを続け、80枚ほどめくれば必勝法に確信を持ち、赤いカードを避けたほうが良い理由も説明できるようになった。経験を積み重ねて一定の仮説を立て、さらに経験を重ねて仮説を検証するというプロセスの結果である。

しかし、この実験の面白いのはここからだ。

被検者の手のひらに測定機を取りつけ、汗の出かたを調べた。汗の出かたで、被検者のストレス反応を測ろうとしたのだ。その結果、なんと10枚目くらいで、みんな赤いカードにストレス反応を示し始めた。また、同時に青いカードを引く回数が増え、赤の回数は減った。つまり、被検者は「なんとなく青が良さそうだ」と意識する前から、危険を回避する方法を取り始めていたということだ。


この本に挙げられる実験や事例は面白かったので、また改めて紹介したい。

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